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【大相撲】貴景勝あきらめるのはまだ早い?初日敗れて横綱昇進は過去6人も

2023 3/15 19:12SPAIA編集部
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4日目で痛恨の2敗

大相撲春場所4日目で大関・貴景勝が阿炎にはたき込みで敗れ、2敗目を喫した。貴景勝は先場所で優勝しており、今場所は「綱取り」に挑んでいるが、黄色信号が灯った。

初日に翔猿に敗れ、2日目からは連勝したものの4日目を終えて2勝2敗。膝の状態も心配されるが、綱取りにはもう1敗もできない状況だ。

ただ、データ上は悲観する内容ばかりではない。過去「綱取り場所」で初日に敗れながら場所後に横綱昇進した力士は、15日制となった昭和24年5月場所以降で6人もいるのだ。

初日に敗れて横綱昇進した力士


鏡里は昭和28年1月場所、初日に敗れた後、14連勝で初優勝。見事に横綱昇進を決め、その後、優勝回数を4回まで伸ばした。

栃錦は昭和29年9月場所初日に敗れたが、その後14連勝で2場所連続優勝。4回目の優勝と横綱昇進を決め、引退までに計10回優勝した。

柏戸も綱取り場所初日で黒星

大鵬とともに「柏鵬時代」を築いた柏戸も、綱取り場所初日で敗れている。昭和36年9月場所は初日、6日目、12日目に敗れて12勝3敗。同じく12勝3敗で並んだ大関・大鵬と明武谷との優勝決定巴戦で大鵬が優勝したが、場所後、柏戸は大鵬とともに横綱昇進が決まった。

ちなみに柏戸は前3場所から10勝、11勝、12勝と計33勝で横綱昇進。今なら見送られそうな成績だが、当時の横綱・若乃花と朝潮の衰えや、大鵬と柏戸に期待する世論の後押しもあり昇進が決まった。

栃ノ海は昭和39年1月場所初日で黒星。14日目にも敗れて13勝2敗で、賜杯は15戦全勝の大鵬に譲ったが、前場所14勝で優勝していたこともあり、横綱昇進となった。

千代の富士も初日黒星から14連勝

三重ノ海は昭和54年7月場所初日で敗れたものの、2日目から14連勝。輪島との優勝決定戦には敗れたものの、前場所も13勝2敗の好成績を挙げており、31歳5カ月の遅咲き横綱が誕生した。

31回の優勝を果たした千代の富士も綱取り場所は初日で敗れている。昭和56年7月場所2日目から14連勝して2回目の優勝。「ウルフ」と呼ばれた大横綱へのスタートを切った。

綱取り場所で初日に敗れた力士が多いのは単なる偶然とは思えない。相当なプレッシャーがかかることと無関係ではないだろう。

貴景勝もデータ上はまだ可能性がある。仮に今場所後は横綱に昇進できなくても、来場所以降に望みをつなぐためには白星を積み上げておく必要がある。白鵬が引退し、群雄割拠の角界を引っ張っていく存在として意地を見せられるだろうか。

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