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三浦知良の移籍先候補オリヴェイレンセとは?日本企業が保有するポルトガルの100年クラブ

2022 12/11 06:00SPAIA編集部
三浦知良,ⒸSPAIA
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横浜FCを保有するONODERA GROUP傘下

2022年はJFL鈴鹿ポイントゲッターズでプレーしたFW三浦知良(55)が、ポルトガル2部のオリヴェイレンセに移籍する可能性が浮上したと各メディアで一斉に報じられた。

55歳での新たな挑戦に驚いたファンも多いだろう。2022年から兄・三浦泰年が監督兼GMを務める鈴鹿にレンタル移籍し、18試合2得点。11月12日のFC大阪戦ではヘディングシュートを決めてカズダンスを披露するなど、年齢を感じさせないプレーでファンを魅了していた。

しかし、鈴鹿の八百長疑惑が浮上したことなどから来季のJ3昇格が消滅。2023年1月末でレンタル移籍期間が満了することもあり、新しい移籍先を探していたという。

突然浮上したようにも見えるオリヴェイレンセだが、実は日本企業が保有している。2022年11月に経営権を取得したONODERA GROUPは、カズが所属する横浜FCも保有しているのだ。

プロ野球では楽天が日本と台湾に球団を保有しているが、サッカーではJリーグとヨーロッパにクラブを保有するのは初めて。カズの移籍が決まれば、同じグループ傘下のクラブでプレーすることになる。

創設100年の総合スポーツクラブ

ONODERA GROUPは1983年に株式会社メディカルサポートとして北海道で創業し、1999年に東証ジャスダックに株式上場(2009年3月に非公開化)。2005年に横浜FCへ資本参加するなど多角的に事業展開している。その一環で、2022年11月にオリヴェイレンセの株式を過半数取得し、グループ傘下とした。

そのオリヴェイレンセは1922年10月に創設され、サッカー以外にもバスケットボールやローラーホッケーなどのチームもある総合スポーツクラブ。サッカーは1945-46シーズンの1年だけ1部リーグに参戦したことがあり、2011-12シーズンにはカップ戦「タッサ・デ・ポルトガル」でベスト4入りした実績もある。

創設100年を迎え、トレーニングセンターの新設など1部昇格を目指して練習環境も改善していくという。今後はカズ以外にも日本選手やスタッフが加入する可能性もありそうだ。

ポルトガル移籍決定なら5カ国目

カズにとっては一見、無謀とも思えるチャレンジだが、そういった周辺環境が整備されているなら願ったり叶ったりかもしれない。

15歳でブラジルに渡ってから40年。これまでイタリア、クロアチア、オーストラリアでプレーしており、ポルトガル移籍が決まれば日本以外で5カ国目となる。

日本では「レジェンド」としてリスペクトされるが、異国の地で最初から受け入れてもらえる保証はない。しかし、幾多の困難をはねのけてきたカズなら、周辺の問題はクリアするだろう。あとは肝心かなめのピッチでどこまで活躍できるかだけだ。

年齢的に「引退」とは常に背中合わせだが、カズは自分でユニフォームを脱ぐ時を決められる稀有な存在と言ってもいい。何より55歳で異国の地に飛び出そうとするチャレンジ精神と飽くなき向上心は、世界中のファンに訴えかけるものがある。カズがポルトガルで躍動する日を早く見てみたい。

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