ラ・リーガと南米選手権で得点王
フランス・フットボール誌が選定する2021年のバロンドール表彰式が11月29日、パリで行われ、パリSGのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが自身7度目の同賞に輝いた。昨年はコロナウイルスの影響で受賞式が中止となったが、メッシは2回続けての受賞となった。
クラブでの活躍はもちろんのこと、代表チームでの活躍も評価の大きな要素となるが、メッシは今夏ブラジルで開催された南米選手権で得点王に輝くなど、アルゼンチンの28年ぶりの優勝に大きく貢献。13年連続リーグ20得点以上と驚異的なペースでゴールを量産し続けるラ・リーガでも20/21シーズンは30得点で得点王を獲得した。
賞レースのライバルと目されていたレヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)らを抑えての栄冠に「ここパリでこの賞を受賞できてとてもうれしい。まだ戦い続けたいし、新たな目標にたどり着きたい。あと何年プレーできるか分からないが、自分自身すごく楽しんでいる。バルサ、パリSG、アルゼンチン代表の仲間たちに感謝したい」と話した。
C・ロナウドとメッシが独占状態
今季から住み慣れた都からパリに新天地を移したメッシ。健在ぶりをアピールすることとなったが、一方で冷遇されているディフェンダーの選手にこそ受賞してほしいというファンもいるのではないだろうか。
08年から同賞はC・ロナウドとメッシの大御所2人が独占しており、唯一の例外は18年のクロアチア代表MFルカ・モドリッチのみだ。確かにこの2人はまるで別の惑星からやって来たかのように異次元のパフォーマンスを毎シーズン見せ続けているが、お決まりの結末に賞の価値を再考させられる部分もある。
来年にはカタールW杯が開催される。冒頭で述べたように、バロンドールの選考には代表戦の結果も大きく関わってくる。数多の名選手が栄光を手にしてきた一方、この選考基準によって不思議と縁のない選手が存在するのも事実だ。
レアル・マドリーとスペイン代表の主将としてゴールを量産してきたラウール・ゴンサレス(現レアル・マドリーB監督)もバロンドールを手にしていない。彼が不幸だったのは、クラブでタイトルを掲げても当時のスペイン代表は不思議とビッグトーナメントには縁のないチームで、それが影響した側面は拭えない。
モハメド・サラー、サディオ・マネらアフリカ勢に期待
代表戦の結果が大きく反映されるシーズンに勢力図は書き換えられるだろうか。注目はリバプールに所属する2人のアフリカ人選手、エジプト代表FWモハメド・サラーとセネガル代表FWサディオ・マネだ。
来年2月にはカメルーンでアフリカネーションズカップが開催される。所属するリバプールでも得点を量産している両選手が同大会で母国を牽引する活躍を見せれば大きなアピールになる。
前回ロシアW杯では全チームがグループステージ敗退という結果に終わったアフリカ勢だが、中でもサラーは直前のCLで負傷し、コンディション不良のまま大会を終えることになった。4年後に訪れる雪辱の機会への思いは並々ならぬものがある。同選手がいつも通りの活躍を見せれば、チームの成績とともに、個人タイトル受賞も見えてくるだろう。
まだ今年の受賞者が発表されたばかりで気が早いかもしれないが、特定の選手が独占を続ける賞レースの展開に新世代の台頭を期待せずにはいられない。
その行方を占うW杯イヤーはどのような選手が活躍を見せるだろうか。願わくばディフェンダーの選手にも光を当ててほしいものである。
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