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【阪神大賞典】有馬記念組は過去10年で複勝率64.7% 唯一該当ブローザホーンは復調のきっかけ掴めるか

2025 3/18 12:00三木俊幸
阪神大賞典に出走予定のブローザホーン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

参考レース振り返り

3月23日(日)、阪神競馬場では阪神大賞典(GⅡ・芝3000m)が行われる。天皇賞(春)に向けた前哨戦には11頭が登録。今年の出走予定馬の主な参考レースをデータとともに振り返る。


有馬記念【データ:A メンバーレベル:A】

過去10年の成績【4-5-2-6】勝率23.5%、連対率52.9%、複勝率64.7%

直近では2023年ジャスティンパレスが勝利するなど、過去10年では最多の4勝を記録している最も相性の良いレースだ。

レースはダノンデサイルが逃げ、700m〜1100mのラップは12.4-13.3と一気にペースが落ちる超スローペース。最後の直線はダノンデサイルが粘っていたが、好位で足を溜めていたレガレイラと、中団から外を回して伸びたシャフリヤールが馬体を併せて伸びた。大接戦となったが、ハナ差で3歳牝馬のレガレイラが勝利。勝ちタイムは2:31.8だった。

今回、阪神大賞典に出走を予定するのは12着だったブローザホーン。スタートは決めたが、その後は行き脚がつかず中団の内を追走した。勝負所では後方2番手までポジションを下げてしまい、直線も前を追うほどの脚は残っておらず、勝ち馬とは1.3秒差という結果だった。

上半期と比較すると秋のGⅠ戦線は物足りないレースぶりが続いたが、阪神大賞典3着、天皇賞(春)2着と実績ある長距離レースで復調のきっかけを掴みたい。


日経新春杯【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【1-0-2-8】勝率9.1%、連対率9.1%、複勝率27.3%

2016年シュヴァルグラン以降の勝利はないが、直近では2024年ブローザホーンが3着に好走している。

スタートして200mのところでハナを奪ったメイショウタバルが1400m通過地点まで11.0-11.3-11.8-11.4-11.2-11.4と11秒台のラップを刻む大逃げで、超ハイペースとなった。

道中8番手のインを追走していたロードデルレイは4角でスルスルと2番手までポジションを押し上げて直線へ。残り300mで一杯になったメイショウタバルを捉えると後続に3馬身差、勝ちタイム2:09.8の高速決着で重賞初制覇を飾った。

2着ショウナンラプンタは後方3番手から運び、4角でも12番手というポジションかつ大外を回す形。直線は上がり最速となる35.4の末脚で前に迫って2着争いを制した。決して機動力のあるタイプではないが、スタミナ豊富でステイヤーとしての適性は高い。武豊騎手との初コンビで重賞初制覇を狙う。

4着ヴェローチェエラは道中、勝ち馬と同じ8番手の外を追走。こちらも勝負所では大外を回される形となりながら、ゴール前はショウナンラプンタとマイネルエンペラー(3着)とともに伸びたが、最後は競り負けた。3000mへの距離延長でスタミナ勝負になると分が悪そうだが、ショウナンラプンタを物差しにすると互角に戦える力はある。


阪神大賞典に出走予定のショウナンラプンタ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ダイヤモンドS【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【1-2-2-14】勝率5.3%、連対率15.8%、複勝率26.3%

過去10年では1勝のみではあるが、昨年のテーオーロイヤルはダイヤモンドSからの参戦で勝利。人気薄での好走もあり、複勝回収率は182%となっている。

好スタートからセイウンプラチナが逃げて隊列は縦長になったものの、最初の1000m通過が1:03.6、2000m通過2:07.2というスローペースで淡々と流れた。

5番手追走から2周目3角で進出を開始し、先頭で直線に向いたのは1番人気に推されたヘデントール。後続を寄せつけることなく3:32.2という時計で4馬身差の快勝。菊花賞2着の力を見せつけて重賞初制覇を果たした。

4着ワープスピードはメルボルンC2着以来の出走だった。道中は6番手追走、2周目3角で斤量が1kg軽い57kgだったヘデントールよりも先に自ら動いていったが、最後は突き放されて完敗という内容。しかし、ひと叩きされた上積みと今回の相手関係から引き続き上位争いは期待できそうだ。

昨秋の京都芝3000mで争われた古都Sを制して以来のレースだったコパノサントスは、4番手から運ぶも最後は伸びを欠いて9着だった。ハンデ56kgは決して楽とは言えなかったものの、上位とは力差を感じた。


阪神大賞典に出走予定のワープスピード,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


万葉S【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-0-1-9】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率10.0%

雨が降る中で馬場状態が稍重で行われた万葉Sは、49kgの軽ハンデを生かしてウェイビーが逃げる。最初の1000mは1:02.3で通過するも、その後は12.0-11.9とペースが上がり、前3頭と4番手以下が大きく離れて縦長の隊列となった。

そうした流れにも動じることなく、6番手から運んだのは1番人気ゴールデンスナップ。2番手で最後の直線に向くと、150mで先頭へ。最後まで力強い脚で突き抜けて後続に2馬身差をつける完勝だった。

ゴールデンスナップは牝馬ながら、レース上がり40.0というスタミナ勝負で他を寄せ付けない強さを見せた点は評価に値する。昨年の阪神大賞典5着、2走前のステイヤーズS4着と長距離重賞でも堅実な走りを披露。着実に力をつけており、上位争いに加わるだけの力はある。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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