「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【フラワーC】唯一の「距離短縮かつ前走1着」 複勝回収率148%の好データに合致したゴーソーファーに注目

2025 3/18 17:00貴シンジ
フラワーカップ_距離短縮組の成績(過去10年),ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は22日に中山競馬場で行われるフラワーCについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目に見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった18頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走1着の距離短縮馬

前走距離別成績,ⒸSPAIA


最も重視したいデータは「前走距離」。フラワーCに限らず3歳の世代限定重賞では、距離短縮馬に要注目だ。日本の競馬はダービーやオークスを頂点として番組が構成されているため、中距離馬のレベルが高くなりやすい傾向にある。

フラワーCの距離は1800m。世代限定戦かつ牝馬のこの距離は、短距離馬と中距離馬が入り乱れやすい。そうなるとタフな中山コースということも相まって、中距離に適性のある馬が優位になりやすいのだ。

過去10年の同レースの「前走距離」データを見ると、前走同距離だった馬が【4-3-2-34】で単勝回収率32%、複勝回収率53%。フラワーCが距離延長になった馬は【5-3-7-56】で単勝回収率32%、複勝回収率52%。距離短縮になった馬は【1-4-1-21】で単勝回収率293%、複勝回収率148%となっている。

距離短縮馬の回収率は20年にアブレイズが12番人気1着となっているため、極端に高くなっているのは注意が必要だが、連対率、複勝率ともに距離短縮馬が最も優秀であることは頭に入れておくべきだろう。

もうひとつフラワーCの傾向で挙げておきたいのが、前走1着馬が【8-5-4-46】で優秀ということ。勝ち馬のほとんどが前走1着だった。

今回上位人気が予想されるパラディレーヌとジョスランはともに前走1着だが、距離短縮馬ではない。今回距離短縮かつ前走1着のデータに該当するのはゴーソーファーのみだ。

【今回距離短縮となる出走予定馬】
・ゴーソーファー
・ショウナンサムデイ
・レーゼドラマ
・レーヴドロペラ

前走の内容:ゴーソーファーの1勝クラス

ゴーソーファーの前走は1勝クラス1着。牡馬混合戦かつ2着のアロヒアリイは次走で弥生賞3着と好走しており、レースレベルは高い。

前半5Fは59.1秒、後半5Fは61.6秒で前傾2.5秒。ゴーソーファーは最後方から大外を回す競馬をしていて、ラップだけ見れば展開が向いたように見えるが、スタイラスメソッドとサノノロンドンが後続を10馬身近く離して逃げていて、決して展開が向いたわけではない。

2着のアロヒアリイには力で勝っており、追走する力を考えても9着に敗れた2走前サフラン賞の1600mは短すぎた印象だ。新馬戦も1800mで勝ち上がっており、前走の2000mもしくは今回の1800mは距離がほしいところだ。

血統解説:ゴーソーファー

ゴーソーファーの血統表,ⒸSPAIA


・ゴーソーファー
母ゴーマギーゴーが米国産馬のため、日本での牝祖は母だ。ゴーマギーゴーはガルフストリームパークオークス(GⅡ・ダート8.5F)とブラックアイドスーザンS(GⅡ・ダート9F)を勝利している実績馬。代々続く米国牝系で仕上がりは早い。繁殖として日本に入ってきてからすでに産駒のオープンファイア(父ディープインパクト)がきさらぎ賞2着と活躍している。

本馬は父にキズナを迎えたのでオープンファイアより筋肉が発達しそうな配合だが、牝馬だから兄同様芝の中距離が合っているだろう。瞬発力勝負が得意なわけではないので、桜花賞の阪神芝1600mやオークスの東京芝2400mよりも中山芝1800mのフラワーCが合っている。ここで狙っておきたい血統だ。

Cアナライズではゴーソーファーを推奨

今回のCアナライズではゴーソーファーを推奨する。2走前はサフラン賞で大敗してしまったが距離が短すぎた印象だ。今回は新馬戦同様の1800m。距離としてはちょうど良いだろう。

前走で倒したアロヒアリイは次走で弥生賞3着と決して弱い相手ではなかった。今回はGⅠ・3勝馬エフフォーリアの全妹ジョスラン、つばき賞勝ちのパラディレーヌが上位人気となりそうだが、本馬も前走を考えれば十分勝ち負けになるだろう。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

《関連記事》
【フラワーC】主力は「1勝C勝ち」 つばき賞勝ちパラディレーヌに熱視線、ゴーソーファーは不安要素も
東大HCが中山巧者を徹底検証 シルバーステート産駒が芝・内枠で高い回収率、M.デムーロ騎手は道悪◎
【フラワーC】過去10年のレースデータ