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【日経新春杯】「前走GⅠで5着以内」の4歳に鉄板データ サンライズアース、ショウナンラプンタは文句なし

2025 1/13 17:00勝木淳
過去10年のデータから見る日経新春杯,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

春を占う伝統のGⅡ

1月の重賞ではあるが、日経新春杯は春戦線を占える。昨年覇者であり、その後グランプリホースとなったブローザホーンを筆頭に、20年モズベッロが宝塚記念で好走し、19年グローリーヴェイズは天皇賞(春)2着、12月には香港ヴァーズを制覇。さらに、17年1着、18年4着ミッキーロケットは18年宝塚記念を勝利した。

今年、中長距離戦線で主役の座を射止める馬はいるだろうか。まだ少し先だが、日経新春杯を肴に春へ思いをはせよう。

以降、データはローテーションを念頭に過去10年分を使用して日経新春杯を分析していく(※21~23年は中京開催、他7年は京都開催)。

人気別成績,ⒸSPAIA


真冬のハンデ戦ではあるが、GⅡ格であり、それなりにメンバーがそろう。1番人気【4-2-0-4】勝率40.0%、複勝率60.0%、2番人気【3-1-0-6】勝率30.0%、複勝率40.0%と比較的堅く、3番人気以内が8勝をあげる。6、7番人気が各1勝、10番人気以下は【0-3-1-52】複勝率7.1%と伏兵が突っ込む可能性も残っているが、ハンデ戦としては上位人気馬の信頼度が高い。

一方、中京開催3年間の1番人気は【0-1-0-2】。とはいえ、内訳は10着アドマイヤビルゴ、2着ステラヴェローチェ、5着ロバートソンキー。好走したのは重賞勝利実績があったステラヴェローチェだけ。実績馬が1番人気なら、中京でも好走してくる。

年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢では4歳が【6-4-2-19】勝率19.4%、複勝率38.7%と年上を圧倒。5歳【2-2-4-21】勝率6.9%、複勝率27.6%、6歳【2-4-4-32】勝率4.8%、複勝率23.8%なので、理想は1着が4歳で、2、3着に4歳もしくは5、6歳といったパターン。若干、ハンデが甘くなることもあり、4歳の勢いを重視しよう。

ただし、中京3年は4歳【1-1-1-5】とややトーンダウン。坂コースで最後に持続力を問われると、5、6歳にねじ伏せられるようだ。馬券圏内の3頭はステラヴェローチェ、ヨーホーレイク、プラダリアと3歳時に重賞好走歴があった。

「4歳」×「前走GⅠ掲示板」は連対率100%

今年の4歳でいえば、重賞2勝メイショウタバルが筆頭格。有馬記念除外によってこちらに回ってきたが、中京芝2200mは勝利した神戸新聞杯と同舞台で、ステラヴェローチェと類似する。

競馬の形は迷走しているが、小細工せず逃げの一手なら実力は証明済みだ。そのほか、青葉賞2着、神戸新聞杯3着、菊花賞4着ショウナンラプンタ、ダービー4着サンライズアースなど実績ある馬たちがそろう。

4歳・前走クラス別成績,ⒸSPAIA


そこでまずは4歳限定で前走クラス別成績を確認する。前走GⅠは【4-2-2-11】勝率21.1%、複勝率42.1%。菊花賞は【2-1-2-10】勝率13.3%、複勝率33.3%、ダービー以来なら【2-0-0-0】となっている。よって、上記3頭はデータ上も買い。さらに、前走GⅠで掲示板内は【2-2-0-0】と連対率100%。ショウナンラプンタ、サンライズアースは本命候補だ。

一方で、同10着以下だと【0-0-1-6】なので、菊花賞16着メイショウタバルは一歩後退か。なお、中京開催3年でも「前走GⅠの4歳」は【1-1-1-3】。さらに9着以内なら【1-1-1-1】と悪くない。

別条件組も見る。ヴェローチェエラが該当する前走条件戦は【1-2-0-6】勝率11.1%、複勝率33.3%でGⅠ経由と比べると、やや凡走気配。4歳1月の時点では上がり馬より実績馬が上か。といいつつ、ヴェローチェエラも京都新聞杯3着の実績がある。3連勝中の勢いとあ合わせれば、決して評価は下げられない。

5、6歳・前走クラス別成績,ⒸSPAIA


では5、6歳はどんなローテがいいのか。こちらは前走GⅠ【1-0-0-12】複勝率7.7%、前走GⅡ【1-1-3-11】勝率6.3%、複勝率31.3%など4歳と異なり、GⅠ経由に勢いがない。かわって条件戦組が【2-2-3-7】勝率14.3%、複勝率50.0%と好相性。条件戦経由を買うなら、5、6歳が狙い。

オリオンSを勝ったマイネルエンペラー、アーモンドアイC勝ちのタッチウッドがいる。中京開催3年では【1-0-0-1】。21年にショウリュウイクゾが関ケ原S8着から格上挑戦で勝利した。

5、6歳の前走オープン・L組は【0-1-1-4】複勝率33.3%だが、中京に限ると【0-1-1-1】。好走は前走4着以内からだった。バトルボーンは前走メトロポリタンS1着で資格あり。やや間隔が空いている点は気になるが、人気の盲点になりそうだ。

5、6歳・前走クラス別成績,ⒸSPAIA


イマイチの重賞組だが、前走着順による傾向はわかりやすい。3着だけ【1-1-2-4】勝率12.5%、複勝率50.0%と買える。これに該当するのがエリザベス女王杯3着ホールネス。芝2200m【3-1-1-0】の距離巧者。中京2200mでは2勝クラスを突破、そのほか左回りの新潟牝馬Sで勝利と、適性最上位だ。

過去10年のデータから見る日経新春杯,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。

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