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ドライバーの飛距離を伸ばすために必要なダウンスイングでのアクション【ゴルフハウツー】

2022 9/23 06:00akira yasu
イメージ画像,Ⓒsattahipbeach/Shutterstock.com
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アッパーブローインパクト

ヘッドスピードが上がると、ドライバーの飛距離が伸びやすくなるが、それ以外にも打ち出し角やバックスピン量をより適正値に近づけることでも飛距離が伸びる。そのため、ヘッドスピードよりも、それらの球の質に目を向けることの方が飛距離アップには有効だ。

クラブヘッドの軌道がレベルブローからアッパーブローでインパクトできると、打ち出し角やバックスピン量が最大飛距離になる値になりやすいが、どのように体を使えば理想的なヘッド軌道になるのだろうか。

ビハインド・ザ・ボール

多くのゴルファーは、クラブヘッドをボールに当てる意識やヘッドスピードを出す意識が強過ぎて上半身が左へつっこんでいる(※右打ちの場合)。

支点が左にずれるとクラブヘッドの最下点も左にずれるため、ダウンブローでボールをとらえることになり、ドライバーショットの理想的な打ち出し角とバックスピン量を得られなくなる。上半身が左へつっこんでもアッパーブローにスイングをすることは可能だが、無理な手首の使い方をせざるを得ない。手首をこねたアッパーブローは別の部分で問題になってくるし、再現性が高まらない。

より確実にレベルからアッパーブローのヘッド軌道で、ロスなくボールに力を伝えるためには、頭や上半身をボールの飛球線後方側に残す“ビハインド・ザ・ボール”が必要だ。ドライバーショットでは頭の位置がアドレス時と同じか、さらに飛球線後方側に下がった形でインパクトを迎えられると良い。

注意点は体の回転を止めないこと。ビハインド・ザ・ボールの意識が強まると体の回転が止まり、上半身の右への傾きが大きくなりやすい。そうなるとダフリやトップが出やすくなるし、インパクトで左右の手がスムーズに入れ替わらずスライスが出やすくなる。

頭を飛球線後方側に残しながら体を回転させる。立体的に体をねじった形が飛距離が出るインパクトの形だ。

158センチの体で飛ばす比嘉一貴

9月8日から11日に開催されたSinhan Donghae Open 2022(シンハンドンヘオープン)では比嘉一貴が今季3勝目を挙げた。賞金ランキング(9月19日時点)は2位に2500万円以上の差をつけてトップを快走しており、初の賞金王のタイトル獲得が見えてきている。

比嘉のプレーを支えているのはドライバー。身長158センチという体のサイズだけを見ると正確性を武器に戦っているように感じるかもしれないが、飛距離も高水準。2打目以降をより良い地点からより短いクラブで打つことができていることが、高いパーオン率につながっている。

比嘉一貴のスタッツ ※9月19日時点,ⒸSPAIA


体の小さな比嘉が飛距離でハンデを負わないどころかアドバンテージを得て戦えている理由は、鍛えられた体だけでなくスイングにもある。

比嘉はビハインド・ザ・ボールでインパクトしている。頭が飛球線後方側に引っ張られるように動くことでボールに力を伝え、ヘッドが理想的な軌道でボールにアタックしているのだ。

ドライバーショットで「パワーの割に飛距離が出ない」「球がふけ上がる」「スライスがなかなか直らない」と感じているゴルファーは、比嘉のスイングが参考になるかもしれない。

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