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現実味増す双子での優勝争い 岩井明愛と千怜ツインズが秘める大きな可能性

2022 8/28 06:00akira yasu
CAT Ladies2022で2週連続優勝を飾った岩井千怜(右)と明愛,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

岩井ツインズの妹、千怜が2週連続優勝

昨年のプロテストに合格した岩井千怜(ちさと)が、8月12日から14日に開催されたNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで初優勝を飾った。そして、19日から21日に開催されたCAT Ladies2022でも優勝。初優勝から2週連続優勝は史上3人目の快挙だ。

千怜には、同じく昨年のプロテストに合格し、ツアーを戦っている双子の姉がいる。岩井明愛(あきえ)だ。明愛も千怜と同様に昨季のステップアップツアー(下部ツアー)で優勝しており、初優勝が期待されている選手の一人でもある。

明愛は規定ラウンド数に達していないためランキングされていないが、ショット力を示すスタッツは千怜よりも上。プレースタイルについては、“ステディな千怜”に対して“アグレッシブな明愛”と評されており、失敗を恐れない攻撃的なゴルフを展開している。パットのきっかけをつかめば、上位に顔を出す確率は上がるだろう。

「最終日最終組で二人で優勝争いがしたい」。これは、岩井ツインズが夢を聞かれた時の回答だ。千怜がこれからも多くの大会で優勝争いに加わることが予想される中、明愛のパットの成長次第ではこの夢が一気に現実味を帯びてくる。

岩井ツインズの主要スタッツ(8月21日現在)

※トータルドライビング:ドライビングディスタンス順位とフェアウェイキープ率順位を合算した値
ボールストライキング:パーオン率順位とトータルドライビング順位を合算した値
明愛はラウンド数不足のため「相当」

メンタルの面でも大器

プロテストは、アマチュア時代の実績が申し分なく「合格間違いなし」と言われていても不合格になることは珍しくない。無事合格しても、多くの選手が「プロテストは二度と受けたくない」という感想を述べる。皆、とてつもない緊張感におそわれるのだ。

そんな過酷なプロテストだが、岩井ツインズは「落ちるわけにはいかない」「負けない」という強気な気持ちで臨み、緊張しなかったらしい。アマチュアの大会だけでなく、プロツアーでも実績があるとはいえ、なかなかの強心臓っぷりだ。

千怜は優勝したCAT Ladies2022ではスタート前から緊張していたようだが、大会終了後は「ファンの皆さんに見られるとプレーの内容が変わる。見られるのが好き。本当に楽しい」と語った。緊張しても、それをパワーに変えられる能力が備わっているようだ。

明愛は昨季のステップアップツアーで優勝した時のプレーが“らしさ”を表している。2位に3打のリードを持って迎えた最終日の最終ホール。パー5の2打目は無情にもギリギリのところでグリーン手前の池に入った。3打のリードがあり、無理せず池の外から4打目を打てば良いものを、旺盛なチャレンジ精神に従い、ウォーターショットを選択。結局1回では池から出ず、2回目で池から脱出。1打差で後続を振り切っての優勝となった。

ステップアップツアーとはいえ、優勝がかかった場面でギャンブル性の高いショットを選択をするところに、自分のゴルフを貫こうとする意志の強さを感じる。

次は明愛の番

岩井ツインズは小さい頃から一緒に練習してきた。中学時代はともに陸上部に所属して、運動能力に磨きをかけた。ゴルフ一本に絞った高校も同じ学校(埼玉栄)に行き、同じ大会に出て、互いが勝ったり負けたりしながら、実績の積み重ねでも並走した。だが、ここへきて千怜が先を行き始めている。

ただ、ステップアップツアーでも先に優勝したのは千怜だった。そして、その2週後の大会で千怜を追いかけるように明愛が優勝。ウォーターショットに挑戦したのは、千怜が優勝した次の大会だったのだ。

レギュラーツアーでも、近い将来、明愛がアグレッシブなプレーで初優勝を遂げる日がくるのではないだろうか。その初優勝が、最終日最終組で千怜とデッドヒートの末のものであれば最高だ。

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