9月18日、有明アリーナでスーパーバンタム級8回戦
キックボクシングからボクシングに転向した那須川天心(24=帝拳)が9月18日、東京・有明アリーナでファン・フローレス(23=メキシコ)とデビュー2戦目となるスーパーバンタム級8回戦を行う。
4月8日に臨んだボクシングデビュー戦(スーパーバンタム級6回戦)は、当時日本バンタム級2位の与那覇勇気(32=真正)に判定勝ち。スピードと高いディフェンス技術でほぼ一方的にパンチを打ち込み、2回にダウンも奪っての完勝だったが、ノックアウトできなかったため少し物足りなさも残った。
まだ1戦しかしていないとはいえ、国内での知名度は世界王者クラスのため周囲の期待は大きく、それだけハードルも高い。自身のSNSでは「前回の試合ではみんなにお披露目出来たと思うので 今回はしっかり殴りに行きます」とよりアグレッシブに攻め込むことを予告している。
9戦9勝(7KO)のメキシカン
フローレスは9戦9勝(7KO)と無敗をキープするボクサーファイター。右構えでフットワークも使うが、時折荒々しいフックを振り回すこともある。一筋縄ではいかないメキシカンらしいボクサーだ。
元IBFミニマム級、WBAライトフライ級スーパー王者の京口紘人(29=ワタナベ)は、自身のYouTubeチャンネルで「2戦目はアジア系の選手かと思っていたけど、メキシコの有望な選手。前にプレスをかけながら伸びるパンチを打つ。スリリングな展開が予想できる」と印象を語っている。決して楽な相手ではなく、骨のあるメキシカンを選んだマッチメイクは、帝拳サイドの本気度の表れとも言えるだろう。
京口は「与那覇選手より好戦的な選手なんで、カウンターのチャンスは増える。天心選手の勝ちは揺るがない。この相手をKOできたら評価は上がる」と期待を込めながらも「天心の大差判定勝ち」と予想。「今回クリアしたら(3戦目で)タイトルマッチもあるかなあ」と東洋太平洋王座などへ挑戦する可能性にも言及した。
強豪ひしめくスーパーバンタム級
天心はデビュー戦の勝利で日本スーパーバンタム級13位にランクイン。同級はWBC・WBO王者に井上尚弥(30=大橋)が就いたばかりで世界中に強豪がひしめく。今後、バンタム級に落とす可能性もあるが、いずれにしても世界への道のりは平坦ではない。
それでも一途に努力する姿勢や熱い気持ち、メディアやSNSを通じて発信するメッセージは若者の絶大な支持を得ている。テレビ中継から動画配信にシフトし、世界王者になっても人気も知名度もなかなか上がらないボクシング界において、デビュー戦から注目される天心は貴重な存在だ。
注目されるデビュー2戦目で前回より成長した姿を見せてくれるのか。天心の今後を占う上で重要な一戦となりそうだ。
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