ウェルター級統一王者クロフォードが1位に
世界で最も権威があるとされるアメリカの老舗ボクシング誌「ザ・リング」が発表するパウンド・フォー・パウンド(PFP)の最新ランキングで、WBC・WBOスーパーバンタム級王座に就いた井上尚弥(30=大橋)は2位に据え置きとなった。
WBA・IBF・WBOヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(36=ウクライナ)に替わって1位に躍り出たのは、世界ウェルター級王座を4団体統一したテレンス・クロフォード(35=アメリカ)だ。
井上は7月25日にスティーブン・フルトン(29=アメリカ)を8回TKOで破り4階級制覇。その時点ではPFP1位に推す声が圧倒的に多かった。しかし、29日にクロフォードがWBAスーパー、WBC、IBFの3団体統一王者エロール・スペンス・ジュニア(33=アメリカ)に9回TKO勝ちして、スーパーライト級に続いて4団体統一を果たすと、世論は一気にクロフォードに傾いた。
元々はウシクがPFP1位、井上が2位、クロフォードが3位、スペンスが4位。井上は文句のないノックアウト勝利だったが、クロフォードはそれ以上の内容でPFP4位の相手を倒し、強烈なインパクトを残したのが大きい。
井上の試合がクロフォードより後に行われていたらまた印象は違ったかも知れないが、こればかりは仕方ない。井上は次戦でWBA・IBF同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)と4団体統一戦に臨む可能性が高いが、「史上初の2階級で4団体統一」も「PFP1位」もクロフォードにかっさらわれた格好となった。