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井上尚弥パウンド・フォー・パウンド2位据え置きも内山高志氏「PFPは意味がない」

2023 8/4 07:00SPAIA編集部
フルトンに右ストレートを当てる井上尚弥,ⒸSECOND CAREER
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ⒸSECOND CAREER

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ウェルター級統一王者クロフォードが1位に

世界で最も権威があるとされるアメリカの老舗ボクシング誌「ザ・リング」が発表するパウンド・フォー・パウンド(PFP)の最新ランキングで、WBC・WBOスーパーバンタム級王座に就いた井上尚弥(30=大橋)は2位に据え置きとなった。

WBA・IBF・WBOヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(36=ウクライナ)に替わって1位に躍り出たのは、世界ウェルター級王座を4団体統一したテレンス・クロフォード(35=アメリカ)だ。

井上は7月25日にスティーブン・フルトン(29=アメリカ)を8回TKOで破り4階級制覇。その時点ではPFP1位に推す声が圧倒的に多かった。しかし、29日にクロフォードがWBAスーパー、WBC、IBFの3団体統一王者エロール・スペンス・ジュニア(33=アメリカ)に9回TKO勝ちして、スーパーライト級に続いて4団体統一を果たすと、世論は一気にクロフォードに傾いた。

元々はウシクがPFP1位、井上が2位、クロフォードが3位、スペンスが4位。井上は文句のないノックアウト勝利だったが、クロフォードはそれ以上の内容でPFP4位の相手を倒し、強烈なインパクトを残したのが大きい。

井上の試合がクロフォードより後に行われていたらまた印象は違ったかも知れないが、こればかりは仕方ない。井上は次戦でWBA・IBF同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)と4団体統一戦に臨む可能性が高いが、「史上初の2階級で4団体統一」も「PFP1位」もクロフォードにかっさらわれた格好となった。

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話題にならず…井上尚弥が強すぎる弊害?

それにしても、本来ならPFP2位を維持するだけでも大変なこと。主要4団体の全17階級で単純計算すると68人の世界王者がいることになり、その他にも多数の世界的強豪がひしめくボクシング界で2番目に強いと認定されているのだ。

しかし、各メディアの扱いは小さく、あまり話題にもなっていない。1位にならないとニュース性がないということなのか。井上尚弥が強すぎるがゆえの弊害かも知れない。

元WBAスーパーフェザー級王者・内山高志氏が自身のYouTubeチャンネルでPFPの価値に疑問を呈している。「パウンド・フォー・パウンドは意味がない。スタイルも違うし、階級が違うんだから分かるわけがない」と指摘。そもそも直接戦えない階級の違う選手に順番をつけることに無理があるというわけだ。

PFPはあくまでボクシングの楽しみ方のひとつに過ぎない。世界各国の様々な媒体がランキングを発表しているが、その中で「ザ・リング」だけは別格だ。ランキングの更新に世界中が注目しており、それがまたニュースになる。

井上は今回、2位に据え置きとなったが、その価値がとてつもなく高いことだけは確かだ。エンゼルスの大谷翔平と並んで、日本が世界に誇るトップアスリートであることを我々日本人がもっと認識すべきだろう。

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