井上尚弥にKO負け以来の再起戦で返り咲きならず
プロボクシングのWBCバンタム級王座決定12回戦が29日(日本時間30日)、アメリカ・ラスベガスで行われ、元世界5階級王者で同級1位のノニト・ドネア(40=フィリピン)が同級3位アレハンドロ・サンティアゴ(27=メキシコ)に判定負けした。
4団体統一王者だった現WBC・WBOスーパーバンタム級王者・井上尚弥(30=大橋)が返上したベルトを懸けた一戦。ドネアはその井上尚弥に2回TKO負けした昨年6月以来の再起戦だったが、王座返り咲きはならなかった。
3回にドネアが左フックでサンティアゴをぐらつかせたが、一進一退の攻防の中で被弾するシーンも目立ち、判定は113-115が2人と112-116が1人の0-3。ネット上には衰えを指摘する声が少なくなかった。
2007年にIBFフライ級王座を獲得してからフェザー級まで5階級を制覇し、長らく軽量級のトップ戦線を牽引してきた「フィリピンの閃光」の去就が注目される。
群雄割拠のバンタム級戦線
新王者のサンティアゴは、井上尚弥が2016年にWBOスーパーフライ級の防衛戦で下しているデビッド・カルモナに判定勝ちでメキシコスーパーバンタム級王座に就くなど36戦して28勝(14KO)3敗5分け。パワー、スピードとも特筆するほどではなく、決して難攻不落の王者ではない。
バンタム級には石田匠(31=井岡)、堤聖也(27=角海老宝石)、比嘉大吾(27=志成)、栗原慶太(30=一力)、西田凌佑(26=六島)ら日本人世界ランカーがひしめいており、東洋太平洋スーパーバンタム級王者・武居由樹(27=大橋)もバンタム級転向を目論んでいる。サンティアゴはターゲットの一人となるだろう。
井上尚弥が返上した王座はWBAが弟・拓真(27=大橋)、WBOはジェイソン・モロニー(32=オーストラリア)が獲得しており、残るIBFも8月12日に2位エマヌエル・ロドリゲス(30=プエルトリコ)と3位メルビン・ロペス(25=ニカラグア)が決定戦を行う。主役が抜けたバンタム級は群雄割拠の様相を呈してきた。
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