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カブス打線をパーフェクトに抑えた阪神の20歳左腕・門別啓人、開幕ローテどころか新人王候補の声も

2025 3/16 06:00SPAIA編集部
阪神・門別啓人,ⒸSPAIA
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カブス戦5回完全投球で今春20回連続無失点

阪神・門別啓人投手(20)が15日、東京ドームで行われたMLBシカゴ・カブスとのプレシーズンゲームに先発し、5回パーフェクトの圧巻の投球を披露した。

2番DHに入った鈴木誠也を第1打席はセンターライナー、第2打席もセンターフライに打ち取るなど、5回59球を投げて無安打無四球2奪三振の完璧な内容。その後も阪神リリーフ陣がカブス打線を0点に抑え、3-0で勝利した。

MLB公式サイトによると、鈴木の第2打席は打球初速111.7マイル(約180キロ)、打球角度20度で期待打率.970だったにもかかわらずセンターフライとなったことに、SNS上ではNPB公式球が「飛ばない」ことを指摘する声も多かったが、それでも門別の実力を疑う材料にはならない。

今春は2月22日の楽天とのオープン戦で2回無失点、3月8日のDeNAとのオープン戦で4回無失点、紅白戦や練習試合も含めると20イニング連続無失点と猛アピール。開幕ローテーション入りどころか、早くも新人王を期待する声すら挙がっている。

一軍で7試合登板もいまだ未勝利

北海道沙流郡門別町(現日高町)出身の門別は、小学校6年時に日本ハムジュニアに選出され、東海大札幌高3年夏は南北海道大会準決勝で知内に敗退。甲子園出場は逃したものの最速150キロのストレートを高評価され、2022年秋のドラフトで阪神から2位指名を受けた。

1年目の2023年はウエスタン・リーグで12試合に登板し、2勝2敗2セーブ、防御率2.78をマークし、9月に一軍初登板。昨季も一軍で5試合に登板したが、初勝利は挙げられずじまいだった。プロ通算7試合で0勝2敗、防御率4.05と一軍での実績は皆無に近い。

しかし、しなる左腕から投げ込むキレの良いストレートとスライダー、ツーシーム、チェンジアップ、カーブを駆使する投球への評価は高く、以前から期待をかけられていた。3年目にしてようやく素質が開花しようとしている。

大竹、伊藤ら出遅れで貴重な先発左腕に

阪神の先発陣は開幕投手に2023年のMVP右腕・村上頌樹が決まっており、昨季13勝の才木浩人、通算124勝と実績のある西勇輝らがローテーションで回る見込みだが、2年連続2桁勝利の大竹耕太郎とプロ4年で33勝を挙げている伊藤将司、手術明けの髙橋遥人の左腕3人が出遅れている。

昨季8勝のビーズリー、新外国人のデュプランティエはともに右腕ということもあり、門別は貴重な先発左腕として重宝されそうだ。

さらに通算20投球回の門別は、支配下登録5年以内で一軍登板30イニング以内という新人王資格も保有。気の早い話であるが、チームでは2023年にMVPと同時受賞した村上頌樹以来2年ぶりとなる新人王も期待される。

メジャーリーガー相手の好投でブレイクの気配が膨らんだ20歳。まずは開幕一軍入りを果たし、プロ初勝利を挙げる日を楽しみに待ちたい。

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