最近10年のセンバツ優勝校は関東、近畿、東海の3地区が独占
第97回選抜高等学校野球大会が18日に開幕する。近年は高校生のレベルアップが著しく、140キロ以上を投げる投手も珍しくなくなった。トレーニング方法の進化や設備面の充実も大きく影響しているだろう。
一方で、全国の有望な中学生がより良い環境を求めて県外の強豪高校に進学する例が増え、地域間格差が広がっている側面もある。最近は甲子園で上位進出する顔ぶれが大きく変わることはない。
最近10年のセンバツ優勝校は以下の通りとなっている。
2016 智弁学園(奈良)
2017 大阪桐蔭(大阪)
2018 大阪桐蔭(大阪)
2019 東邦(愛知)
2020 コロナ禍で中止
2021 東海大相模 (神奈川)
2022 大阪桐蔭 (大阪)
2023 山梨学院 (山梨)
2024 健大高崎 (群馬)
見事に関東、近畿、東海の3地区が独占している。夏の選手権でも仙台育英(宮城)が東北勢初優勝を果たした2022年以外は同じ状況だ。
移動、通信網の発達によって日本は狭くなり、海外の情報も簡単に手に入る時代。有望選手は日本のプロ野球を飛び越えてメジャーリーグを目指すようになった。高校野球は通過点に過ぎず、郷土の代表として甲子園出場を夢見る選手はもはや少数派かもしれない。
かつては高校が少ないため甲子園に出やすいという理由で地方の高校に進学する選手が多かったが、今は逆。よりハイレベルな野球を学ぶため地方から環境の整った高校に進学する。必然的に県外出身選手が多くても“外人部隊”などと揶揄されることはなくなった。
甲子園が「目的」から「手段」に変わった今、環境面で劣る地方の高校が置き去りにされるのも時代の流れ。以前は「野球どころ」と呼ばれた四国勢の甲子園優勝は2004年センバツの済美(愛媛)が最後で、夏は2002年の明徳義塾(高知)までさかのぼる。中国勢も2003年センバツの広陵(広島)以来、頂点に立っていない。