避けては通れない桜花賞組
2022年5月22日に東京競馬場で行われる第83回優駿牝馬(オークス)。牝馬クラシックの初戦・桜花賞は1、2番人気が馬券圏外に沈み、3連単は7万円を超える波乱の結果となった。
オークスはここ5年で桜花賞組が3勝、桜花賞不出走組が2勝と均衡しているが、桜花賞組が負けた2019年、2021年は3連単がそれぞれ17万超、53万超の高配当が出ている。
いずれにせよ、今年も桜花賞組の取捨が大事なのは間違いない。桜花賞組がオークスで好走するデータは近年も健在なのか。また、波乱があるとすればどのパターンか。今回も過去15年のデータ(2010年は1着同着)を基に検証していきたい。
☆所属
美浦所属馬が14連対(6勝)、栗東所属馬は16連対(10勝)。連対数や連対率では互角だが、1着数や勝率では栗東所属馬が少し上回っている。この傾向は、桜花賞出走馬に絞ってもほぼ変わらない。
☆前走
勝ち馬が出ているのは桜花賞、忘れな草賞、そしてフローラSの3レースだけ。特に桜花賞組は出走頭数が119頭と抜けて多いこともあり、勝ち馬11頭、2、3着馬が7頭と断トツ。オークスのデータ分析をするにあたって、やはり桜花賞組は避けて通れないところだ。
☆桜花賞での着順
ということで、ここからは桜花賞組に絞って検証していきたい。まず桜花賞馬だが【5-1-1-5】で、勝率41.7%、連対率50%。出走さえすれば、4割の確率で二冠馬が誕生していることになる。
桜花賞馬が出走していなかったのは2007年(ダイワスカーレット)、2016年(ジュエラー)、2019年(グランアレグリア)の3年で、2007年と2016年は桜花賞組、2019年は忘れな草賞組が勝っている。桜花賞2~4着馬も連対率が20%を超えているが、5着馬は出走した10頭すべてが圏外だった。
桜花賞で掲示板を外して巻き返したのは、2008年トールポピー(桜花賞8着→オークス1着)、2013年メイショウマンボ(10着→1着)、2015年ルージュバック(9着→2着)、2017年アドマイヤミヤビ(12着→3着)の4頭だけ。
4頭とも桜花賞の前に重賞を勝っていた実績馬で、桜花賞で優先出走権を確保できなくても賞金的に除外の心配がなく、オークスに向けて調整はしやすかったと考えられる。
☆桜花賞での人気
桜花賞で1番人気に支持されていた馬は【4-2-2-2】で連対率は60%と、桜花賞馬より高い。複勝率は驚異の80%だ。2番人気馬も【4-1-1-6】で連対率41.7%とハイアベレージ。桜花賞1、2番人気がそろって出走したのは計8回で、連に絡まなかったのは2011年、2013年の2回だけだ。
☆桜花賞での着差
オークスに出走してきた桜花賞馬(12頭)のうち、コンマ2秒以上で勝った馬の成績は【2-0-0-1】。着外は2015年のレッツゴードンキ(コンマ7秒差)だ。
ちなみに今年の桜花賞はハナ差だったが、秒差なしで勝った桜花賞馬の成績は【0-1-0-2】。昨年のソダシも秒差なしで桜花賞を勝ち、オークスで大敗しているが、今年はどうなるか。
また、桜花賞で負けてもコンマ1秒以内なら【3-3-1-6】連対率46.2%と優秀だ。
1秒以上離されていると【0-1-1-33】となり、好走確率がぐっと下がってしまう。唯一連対したのは2015年のルージュバック(桜花賞1秒差の9着)。桜花賞にはきさらぎ賞から直行という、当時は異例と言われたローテーションだった。
☆その他
桜花賞組で気になったのは前走枠順。5枠を引いていた馬が6勝。2位が7枠の2勝だから、5枠で走っていた馬が異常に結果を出しているのが分かる。
ジェンティルドンナ、アパパネ、そしてデアリングタクトの三冠馬、そして二冠馬ブエナビスタも桜花賞5枠だった。今年の桜花賞馬スターズオンアースは……4枠でした。ちなみに、桜花賞を4枠で走っていた馬から勝ち馬は出ていない。
もっと悲惨なのは、桜花賞で1、2枠を引いていた馬。該当する28頭はすべて3着以下。偶然かもしれないが、そこそこのサンプル数がありながら、過去15年で1度も連対していないのは無視できない。そういえば、昨年の1番人気ソダシ(8着)も、桜花賞は黒帽子で走っていた。
続いてオークス全体でその他のデータを見ると、まず前走1~3着馬、そして前走1、2番人気馬の好走率が高い。これは桜花賞組以外にも共通するプラスデータとなる。
種牡馬では、ディープインパクト(4勝)しか複数の勝ち馬を出していない。一方、クロフネ産駒は距離の壁なのか、昨年の1番人気馬ソダシを含めて1頭も連対していない(今年は出走なし)。
あとは、キャリア2戦または10戦以上の馬、前走で1秒以上離された馬、そして中2週以内の馬から勝ち星は出ていない。