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12月13日は井上尚弥の前座も熱い!世界狙うハードパンチャー平岡アンディに注目

2022 11/25 06:00SPAIA編集部
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21戦全勝のWBOアジアスーパーライト級王者・平岡

12月13日に東京・有明アリーナで行われるプロボクシングの世界バンタム級4団体統一戦、井上尚弥(29=大橋)対ポール・バトラー(34=イギリス)のアンダーカードに、WBOアジアスーパーライト級王者・平岡アンディ(26=大橋)が登場する。

WBCアジアウエルター級シルバー王者・誼敏虎(ジュン・ミンホ=韓国)を迎えて4度目の防衛戦。誼敏虎は13勝(3KO)3敗2分と戦績は平凡だが、アジアの強豪と手合わせしてきたタフな相手だけに、平岡が豪快に倒せば世界への道も切り開けるだろう。

平岡はガーナ出身の父親と日本人の母親の間に生まれ、横浜高校時代は陸上で国体出場経験もある身体能力の持ち主。父親の影響で幼い頃からボクシングに取り組み、スピードと技術を磨いてきた。

身長182センチ、リーチ188センチと恵まれた体格で、2013年に花形ジムからプロデビュー。2016年に大橋ジムに移籍し、2017年11月に日本スーパーライト級ユース王座を獲得した。

2019年11月にはアメリカの大手プロモート会社・トップランクと契約し、本場ラスベガスのリングにも上がってKO勝ち。2021年10月、佐々木尽に11回TKO勝ちで日本・WBOアジアパシフィックスーパーライト級王座に就いた。WBOアジアパシフィック王座は3度防衛しており、ここまで21戦全勝(16KO)のパーフェクトレコードを誇る。

日本のスーパーライト級世界王者は過去3人のみ

平岡の武器は何と言ってもパワーだろう。サウスポースタイルでフットワークも使うが、一発に秘めるパワーは絶大。距離を取ってペースをつかみながら、相手が前進してくれば強烈なストレートやアッパーを打ち込む。

課題はディフェンスと力みすぎるきらいがあること。パンチに強弱をつけ、滑らかさが出てくればさらに強くなるはずだ。いずれにしても、今後に期待を抱かせるだけの素質を持つことは間違いない。

スーパーライト級のリミットは140ポンド(63.5キロ)。世界的に見れば中量級だが、日本では重い部類だ。

過去にこの階級で世界王者になった日本選手は3人しかいない。「ハンマー・パンチ」で世界を制した藤猛、15連続KOの日本記録を樹立した浜田剛史、沖縄のジムから初めて世界王者となった平仲明信。藤は34勝29KO、浜田は21勝19KO、平仲は20勝18KOと、いずれも疑う余地のないハードパンチャーだった。

現在、スーパーライト級に君臨する王者も猛者揃いだ。WBAはアルベルト・プエジョ(ドミニカ)、WBOは元4団体統一王者のジョシュ・テイラー(イギリス)。テイラーが返上したためWBCとIBFは空位となっているが、プエジョは21戦全勝(10KO)、テイラーは19戦全勝(13KO)とともに無敗の王者だ。

平岡はWBC18位、IBF9位、WBO14位にランクされており、世界挑戦の機会をうかがう。次戦、強烈なKO勝ちでアピールできるか。dTVおよび、ひかりTVで独占配信される12月13日は、井上尚弥戦の前に行われるセミファイナルにも注目だ。

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