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ロンドン五輪ボクシング銅メダリスト清水聡は世界王者になれるか?迫るタイムリミット

2022 11/22 11:00SPAIA編集部
清水聡,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

プロ転向から6年…もう負けられない36歳

12月13日に東京・有明アリーナで行われる井上尚弥(29=大橋)とポール・バトラー(34=イギリス)の世界バンタム級4団体統一戦のアンダーカードで、東洋太平洋フェザー級王者・清水聡(36=大橋)が登場する。

ランディ・クリス・レオン(フィリピン)との58キロ契約8回戦。レオンは身長165センチのサウスポーで、2016年10月に中沢奨に判定負けするなど、プロキャリアを通して白星より黒星が多い。身長179センチの長身サウスポー清水が負ける相手ではない。

とはいえ、清水も36歳だ。2012年ロンドン五輪のバンタム級で銅メダルを獲得し、大橋ジムからプロ転向したのが2016年。同じロンドン五輪でミドル級金メダリストとなった村田諒太はすでに2度もプロで世界王者となった。重量級以上にスピードが求められるフェザー級で、加齢によるスピードや動体視力の衰えは最も懸念されるところだろう。

内容問われる1年半ぶりのリング

フェザー級にしては高身長の清水の武器は、速くて強い左ストレート。相手に懐に入らせず、自分だけパンチが当たる距離で戦えるスピードとテクニックが最大の強みだ。

プロ4戦目で東洋太平洋王座を奪取し、8連続KOと順調に階段を上っていたが、2019年7月にWBOアジアパシフィックスーパーフェザー級王者ジョー・ノイナイ(フィリピン)にまさかの6回TKO負け。プロ初黒星を喫しただけでなく、両眼窩底などを骨折して緊急手術を受けた。

1年後に再起して、ここまで11戦10勝(9KO)1敗。今回は2021年5月以来、1年半ぶりのリングとなるだけにブランクの影響も心配だ。対戦相手に格下を選んだのは、その辺りの配慮もあるだろう。自身のSNSでは静岡・伊東合宿で走り込んだ様子を報告しており、調整は順調に進んでいるようだ。

現在、WBCフェザー級13位にランクされているものの、アピール材料がないと世界挑戦は簡単には実現しない。清水にとっては結果以上に内容が問われる一戦。アマチュア時代に同じ釜の飯を食った村田に負けない輝きを放てるか。dTVおよび、ひかりTVで独占配信される12月13日は井上尚弥のメインイベントはもちろん、アンダーカードからも目が離せない。

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