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東海大・河村勇輝、筑波大・三谷桂司朗、白鷗大・市川真人ら 大学生バスケはルーキー豊作の年

2020 4/11 11:00ヨシモトカズキ
イメージ画像ⒸBrocreative/Shutterstock.com
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河村を獲得した東海大黒川ら有望な選手も

高校生ながら特別指定選手でBリーグ・三遠ネオフェニックス入りし、大活躍を見せた河村勇輝を筆頭に、今春大学に入学した選手たちは有望な逸材が多い。下級生時から試合経験を積んでいる選手が大半で、ガードからフォワード、センターと各ポジションにバランス良く揃う。

その中で最もリクルートに成功したのは東海大だろう。河村が加入することが大々的に報じられ、昨年はインカレベスト8に終わったチームの復権を早々に担いそうだ。ただ、チームの司令塔は千葉ジェッツで特別指定選手としてプレーした大倉颯太が務めており、河村が大学1年目からスタートに名を連ねるのは簡単なことではない。それでもこの冬にBリーグの話題をかっさらった人気と確かな実力を自信に、出場機会を与えられることは濃厚だ。

三遠ではセットプレーが多かったように、東海大でも同じ状況になることが予想される。スピードが魅力の河村だが、セットプレーは成長途上。大学ではハーフコートでのゲームメイクの力を付けたいところだ。

また、河村と同じポジションにはなるが、アシストに長けた黒川虎徹(東海大付属諏訪高)、オールラウンダーの江原信太朗(実践学園高)と即戦力ルーキーが加入。高校時代の実績はそこまでないが、シュート力が高い元田大陽(北陸学院高)、蛯子修二(東海大付属相模高)にも期待したい。

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能力の高いフォワードを輩出する筑波大 今年も実力派の3名を獲得

インカレ優勝の筑波大には広島ドラゴンフライズでプレーした三谷桂司朗(広島皆実高)が入学した。この三谷は世代屈指のオールラウンダーで、ポストプレーから3Pシュートまで様々な得点手段を誇る。昨年夏には3x3も経験し、特有の身体接触の強さも手に入れた。得点源、リバウンダー、ボール運びと何でもできるのが強みだ。

さらに筑波大には、横地聖真と木林優(ともに福岡大附属大濠高)も加わる。強豪福大大濠で1年時からスタメンを務めた横地は、卓越したドリブル技術を生かした1対1が得意の選手。三谷とはタイプの違う選手だが、190cmを超える身長で様々なプレーをこなすことができる。

そして木林はまだ成長過程の選手。200cmの長身ながら3Pシュートが得意で、昨年12月に開催されたウインターカップでは6試合で9本を沈めた。しかし身体の線はまだ細く、戦力になるには少し時間がかかりそうだ。しっかりと身体作りを行い、3Pシュート以外の得点パターンが身に付けば面白い存在になるだろう。

馬場雄大(テキサス・レジェンズ)や杉浦佑成(サンロッカーズ渋谷)、現在4年生で宇都宮ブレックスに特別指定選手で加わった山口颯斗など、能力の高いフォワードを多く輩出している。それだけにフォワード3名を獲得した今年のリクルートは成功したと言えそうだ。

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白鷗大の市川の成長に期待 留学生も個性派揃い

チームとしてのリクルートは東海大、筑波大が成功したが、他チームの期待選手として一番に名前を挙げたいのが、白鷗大に入る市川真人(静岡学園高)。中学時代から2mを超える長身だったが、線が細くスキルも乏しいことから注目度は高くなかった。しかし、高校時代飛び級でU22日本代表候補に選出されるなど、高いレベルで揉まれて着実に成長した。

高校3年間で身体が大きくなり、留学生にも当たり負けないフィジカルを付け、3Pシュートを決められるまでシュートエリアも広げている。まだペイント内のプレーが弱いため白鷗大では留学生と日々切磋琢磨し、一人前のセンターになることを期待したい。

また、白鷗大には圧倒的なスコアリング能力を誇る脇真大(岡山商科大附属高)も進学する。現時点では三谷や横地に劣るものの、192cmの身長がまだ伸びているということもあり、フォワードとしてさらなる成長が期待される。

ここ数年、関東の大学にも留学生が多く在籍するようになった。その中では拓殖大に加わるジョフ・ユセフ(開志国際高)に注目したい。

1年時から強靭なフィジカルとスキルの高さを誇っていたユセフは、2年時にチーム初の全国優勝に大きく貢献。2年時のウインターカップは15.5得点、10.5リバウンド、3年時の同大会は24得点、27リバウンドを記録。ゴール下はもちろん、ミドルシュートも得意としており、これまでの留学生とは違ったタイプの選手だ。

今年の大学バスケットボールは日本人、留学生ともに楽しみな逸材が多い。しかし、5月の関東大学選手権、関東大学新人戦ともに新型コロナウイルスの影響により、大会延期となった。彼らのプレーが見られるのはもう少し先になるが、4年間の成長が楽しみだ。

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